元町の歴史を紡ぐ
特集「メンズショップ トラヤ」
メンズショップ トラヤは、元町三丁目 海側の東側から2番目にあります。
現在の場所では昭和24年から。
それ以前は、大正9年位に神戸の有馬街道近くで。
もともとは京都にて、小間物(現代の雑貨のような物を扱うお店)から帽子専門店となります。
その後、兄弟で暖簾分けをして、それぞれ東京、大阪、福岡、神戸へ出店へと展開されます。
それぞれ服飾などへ変更されたりもしていますが、東京銀座のお店は今でも帽子の専門店です。
神戸では元町一番街に、祖父の代にメンズから分離されたレディスもあります。
昭和42年にメンズショップの、今でいうセレクトショップとなりました。
当時、アイビールックが大流行中。その頃からのお客様もいらっしゃるそうです。
アパレル業界は、景気の影響や、ファストファッションの流行などで目まぐるしく変化。
お客様も、「年齢を重ね、お仕事を退職されると、スーツからカジュアルな日常着をお求めになる」との事で、
生活スタイルや仕事、好みや体型も変化してきます。
今の流行(ピッチリしたイタリアンファッションなど)の影響も感じるそうですが、
「やはり自分のお店のスタイル、トラッドを大事に」と考えられています。
その方が、お客様と、誠意や信頼感が生まれるお店になるのかもしれません。
クールビズは、ネクタイやジャケットは不要になって、意外と洋服屋さんの対応が大変なのだそうです。
こんな時にこそ、上質なシャツを買うような風潮があればいい。
重厚さがあり、落ち着く雰囲気。
でもステンドグラスをはめ込んだガラス越しに明るい光も差し込み、軽やかな風も感じられる店内です。
このショーケースのガラスに使われいるステンドグラスは、以前、教会で使われていた物を、大工さんが活用されたのだそうです。
ステンドグラスにお詳しい方によると、「古い時代にしかない色もある」との事。
当時の看板をデコレーションに使われています。
店内のいたる処に施された、手の込んだ細工。見事です。
この照明もオリジナル。電灯が4つなのには理由があるのです。
「以前、電灯が5つ以上になると、税金の額が違っていたのだそう」というお話も興味深い!
他にも、作り付けの棚には、面白い仕掛けが!
なんと、一部を引き出すと、隠し鏡が出てきます。
こちらの、シャツなどを広げたり、お客様もお荷物が置けるスライド式の台も先代のアイデア。
ただ古い物を使われているだけではなく、現代の機能性も採り入れています。
アンティーク調のレジスターは、中に現代のレジが入っています。
以前からお使いだった物を利用して、ご自分で作られたのだそうです。

お店の変わらないスタイルと、少しずつ採り入れる新しい風を感じさせる名店です。
SHOP DATA
メンズショップ トラヤ
住所:神戸市中央区元町通3-2-13
電話番号:078-331-2370
営業時間:10:30~19:00 (定休日:水曜日)
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